2013-01-30 Wed
こんばんは。芦田総研 相続FPの大西です。
相続税の増税が決定的となっているのは皆さんご存知の通りです。
そして、巷では「今まであまり関係のなかったサラリーマンの方にも相続税がかかってくるかもしれません!」と言った話が花盛りです(私もそう言ってます)。
しかし、この増税の影響は別のところにもでてくるように思っています。
それは、『相続人全員が相続財産の評価額を知ってしまう』ということです。
「当たり前では?」と思われる方もおられると思いますが、実際の相続では、故人の相続財産(厳密には相続財産額)をすべての相続人が正しく把握しているとは限らないのです。
相続税について全く関係のない範囲の方(大半の方)は、それぞれの財産がいくらの評価額なのかを知らずとも、遺産分割を進めることが出来ます(相続税の申告が不要であるため評価の必要がないからです)。
「A土地は住んでいる僕が、B土地は商売をしている花子が、お金は半々で。」
というざくっとした分け方でも、気持ち的にそれぞれがよければ、そのまま分割が進んでいました。
しかし、相続税がかかり、申告しないといけないとなると話は変わります(すべての相続財産をお金に換算する必要がでてきます)。
太郎 「A土地は住んでいる僕が、B土地は商売をしている花子が、車と木彫りのクマは次郎が、お金は、半分ぐらいを次郎にあげて、残りを二人で分けようか。」
花子 「あれ?私の土地の評価額1,000万円やけど、太郎兄ちゃんの土地は2,000万もしてるやん。ちょっと不公平違う?」
次郎 「て、言うか、なんで俺の相続財産に『木彫りのクマ』が入ってんねん?お金も半分くれるって言うけど300万円しかないし、車の評価額も0円って財産ちゃうやん!どう考えてもおかしいわ!」
一般の方にとって「相続税がかかる」ことより大きな問題なのかもしれません。